症例２

【患者】
50代　女性　保険営業
 
【来院】
2020年1月
 
【症状】
3週間前から、左耳の詰まり感とジーというセミの鳴き声のような耳鳴りが始まった。
音が気になって眠れないことがある。
耳鼻科を受診したところ、低音の聴力が低下していると診断され、トリノシン10％・メコバラミンが処方されている。外に出ている時は気にならないが、静かな場所や寝る時が気になってしまう。
 
【随伴症状】
動悸、肩こり、寝付きが悪い
 
【治療内容と経過】
第1診　触診をしたところ、左胸鎖乳突筋と肩甲間部の緊張が強い。首肩の緊張をゆるめたところ、身体がポカポカするとのこと。週2回の来院とした。
第2診　耳鼻科を受診したところ、聴力が回復しており、医師が驚いていたとのこと。医師からは「もう来なくてよい」と言われたと話す。身体を動かすのが楽になり、耳鳴りは少し残っている。
第3診　聞こえはよくなったと実感。耳鳴りの音に波を感じるようになった。
第4診　耳鳴りの音が少し小さくなった。気になる時間も、少し減ってきたと話す。
第5診　午前中は楽だが、夕方から音が気になり出す。
第6診　日中は気にならなくなった。
第7診　夜も気にならなくなり、寝られるようになったとのこと。以後、体調管理を目的に月1回〜2回、来院されている。
 
【主な使用穴】
聚労、合谷、養老
 
【考察】
この患者は、４ヵ月前に子宮と卵巣を全摘する手術を受け、それ以降、体調を崩しやすく、ストレスを受けやすくなっていた。左耳周囲の緊張が強く、保険の営業という仕事のストレスが溜まったところで発症したものと考える。首肩のコリをゆるめた結果、身体の緊張が取れ、回復が早まった症例である。

症例１

【患者】

30代　女性

【来院】
2017年10月

【症状】
2015年12月より断続的に右耳の耳鳴りと、閉塞感が表れる。発症した時期は出産後半年で、ストレスや疲れがあった。今でも、生理前後・天候・疲労で症状が出やすい。低音性音感難聴の疑いで、イソバイド・メチコバール・アデホスが処方されている。

【随伴症状】
めまい（フワフワと浮遊感）、鼻つまり、肩こり・腰痛

【治療内容と経過】
第1診　右胸鎖乳突筋、右鎖骨下、右股関節外側が固くなっている。特に頚部の緊張を緩めるように施術を行った。
第2診　聞こえは良くなってきた。ジーっという耳鳴りが残っている。
第3診　耳鳴りは、周囲が静かなときに感じるようになった。頚部の可動性が悪いため、胸椎のツボを使用。
第4診　肩こりによる首の痛みも無くなった。
第6診　調子の良い状態がキープできている。疲れなど、体調の変化で出やすい傾向があるため、時々、体調のメンテナンスに来院されている。

【主な使用穴】
胸椎2番、合谷

【考察】
耳鳴り・閉塞感を訴える方の身体を拝見すると、頚部、アゴまわりなどの緊張が著名なことが多い。今回も、首を効果的に緩めることで症状が改善できた。

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