腰痛の症例

当院の鍼灸治療による施術症例です。
全ての方が同じ経過をたどるとは限りませんが、同じ症状にお悩みの方の参考になれば、うれしいです。
症例は随時、追加していく予定です。

症例8

【患者】
40代 女性

【来院】
2020年3月

【症状】
1週間前に、腰に違和感を感じていたが、だんだんと痛みが強くなり動けなくなった。今は少し落ち着いたが、起床時や就寝時の痛みが強く、ふとした動き・靴下をはく動作がつらい。

【随伴症状】
なし

【治療内容と経過】
第1診 身体を後屈、左右の側屈、左右回旋させると痛む。特に右側屈時の痛みが強い。触診すると、右仙腸関節部の緊張が強く、そこから起立筋の緊張へとつながっている。右肘にあるツボを使い、起立筋全体の緊張を取り、膝・下腿・背中のツボを使用したところ、右腰の痛みが和らいだため、週1回程度の頻度で来院を進め、次回とした。
第2診 起床時の痛みが減り、着替えでの痛みは無くなった。歯ミガキ・運転の際に、骨盤周囲の痛み・つっぱりを感じる。
第3診 痛みは半分程度となる。座っていると、腰に重い痛みを感じる。朝方に腰の痛みが残っている。
第4診 痛みはほぼ無くなった。残っている腰の緊張をとり、経過観察とした。

【主な使用穴】
曲池、T4、腸鳴

【考察】
筋肉は疲れが溜まってくると、ささいなキッカケで痛みを起こす。痛みを起こす場所に負担がかからないよう。背中・足・肘といった全身の動きを見ながら鍼をしたところ、痛みが和らいでいった。
腰だけでなく、広く身体を見なければならないと感じた症例だった。

症例7

【患者】
45歳 男性

【来院】
2019年9月

【症状】
じっとしていると楽だが、動くとズキッと痛む。
配管工なので重いものを持つのが大変。

【随伴症状】
なし

【治療内容と経過】
第1診 左腰部が動くとズキッと痛む。触診をすると、左腰部だけでなく左半身全体が固くなっている。大腿と背中の緊張をとったところ、動きやすくなったため次回とした。
第2診 腰痛の痛みが和らいできたが、まだ同じ場所が痛む。
第3診 ズキッとした痛みは変化がない。背中の緊張に着目したところ、腰部の緊張もとれ痛みが和らいだので次回とした。
第4診 1週間調子よかった。だんだんと左腰が重たくなり、重いものを持つとビキッと痛む。痛みの程度は減ってきた。
第5診 強く背中を丸めるとズキッと痛む。
第6診 普段は忘れている様になった。時々、運転中にチクッと感じる。
第7診 調子よいため、経過観察とした。

【主な使用穴】
大腰、大殿、殷門

【考察】
症状は腰に現れているが、身体全体のバランスを考えてみることで腰に負担が集中する原因が現れてくる。
今回は左下肢の固さや背中の緊張が強く、動きが悪くなったため腰に負担が溜まったと考えた。現場移動のために長時間の運転や、重い配管を運ぶことが負担となったのだろう。

症例6

【患者】
50代 男性 配管工

【来院】
2019年6月

【症状】
もともと腰痛持ちだったが、最近、忙しくしていたところ前日より症状が悪化した。特にキッカケは無く、段々と痛みが増している。歩くのもつらい。

【随伴症状】
肩こり、右手シビレ

【治療内容と経過】
第1診 左腰部から左大腿の緊張が強い。硬く張り詰めた左の腰部をゆるめるよう針と灸をした。
第2診 痛みが和らいできた。左腰部の痛みより、右腰部の痛みが目立つ。前屈姿勢が一番つらく、後屈がその次につらい。右仙腸関節の調整を行った。
第3診 さらに痛みが和らぎ、普段は気にならなくなった。元々、腰痛歴が長いため、経過を見ながら時々来院している。

【主な使用穴】
腸鳴、築ヒン

【考察】
疲労が溜まり、身体がガチガチに緊張している様子だった。動けなくなることから痛みは生じてくる。今回は身体の緊張が取れ、動けるようになったことをキッカケにからだが回復した症例だったと考える。

症例5

【患者】
腰痛5
80代 男性

【来院】
2018年 2月

【症状】
もともと腰痛があるので整形外科に通っていたが、2~3日前から左腰から左足にかけて痛み・シビレが出るようになった。

【随伴症状】
なし

【治療内容と経過】
第1診 痛みとシビレのある大腿の固さが目立つ。腰椎周辺へ刺鍼をすると、大腿外側と殿部がゆるんだ。動きがついたところで、次回とした。
第2診 左殿部の緊張をとるよう施術を行った。
第3診 じっとしていて感じていたシビレが無くなった。ふと、シビレを感じることがある。今回も、左殿部中心に緩めるようにした。
第4診 痛みは感じなくなった。左殿部~左大腿外側にかけて、「感覚が無い、しびれるような感じがする」とのこと。殿部をゆるめるため、下腿のツボも使用した。
第5診 「感覚が無い、しびれるような感じ」は、左殿部中心になった。
第6診 調子よく、しびれも感じない。本人希望もあり、経過観察とした。

【主な使用穴】
L4、L5、腰海、豊隆

【考察】 神経障害は、神経がダメージを大きく受ける前に施術を開始した方が、軽快するのも早い。今回も、シビレを感じて数日で来院していただいたことが大きかった。

症例4

【患者】
腰痛症例4
10代 女性

【来院】
2017年6月

【症状】
4年前に陸上部で幅跳びをしていた頃から、高校時代は腰痛に悩まされてきた。現在、大学1年生で長拳という中国憲法を学んでいる。運動後、腰痛がつらい。痛みの程度は、Pain score10→7。

【随伴症状】
左股関節痛

【治療内容と経過】
第1診 胸椎や腰椎に固く、動きの悪いところが目立ち、下肢のツボを使用したところ、動きがついてきた。また、左股関節前面に圧痛・硬結がみられたので、足部のツボをしようしたところ、ゆるんできたところで、1診目を終えた。
第2診 Pain score10→5に改善。起床時、運動後に腰が重たい。同じく、背中・腰・股関節の動きを調整した。
第4診 腰痛を感じなくなった。左股関節の痛みも軽減。終了希望のため、経過観察とした。

【考察】
動きの硬いところがあると、決まった動作になり、負担も決まった場所に出てくるようになる。動きを調整することによって、身体の使い方が変わり、負担が減ることで症状の改善が見られた症例だった。

症例3

【患者】

腰痛症例1
女性 50代

【来院】

2018年4月

【症状】

3年前にぎっくり腰になり、以来、腰痛が続いている。マッサージや整体、ストレッチなど1年以上通うも、あまり変わらない。
動き始め、立ち上がり際、また段差があると右腰に痛みが走る。しびれはない。

【治療内容と経過】

初診で身体の動きをチェックすると、前屈以外、身体を大きく動かそうとすると痛がる。
本人は右殿部の痛みを訴えるが、触診をすると腰部、殿部、右下肢が硬く、圧痛がある。特に1番の主訴である立ち上がり際に、強い痛みが出るため、背部と右膝裏のツボを選択。
立ち上がり際の痛みが無くなったため、このツボを中心に以降、できなかった動作の幅が広がっていくように週1~2回のペースで施術した。
第3診では、起床時の痛みがなくなったと報告がある。
第5診では、痛みの程度が当初の3割となる。
以降、右膝に痛みや、種子骨障害を発症(整形外科受診)したため、その都度、施術の中心を変更し、現在はメンテナンスのため来院されている。

【主な使用穴】

六丘、築ヒン、玉人

【随伴症状】

右膝痛、右種子骨障害

【考察】

痛いから動かない、動かないから痛くなるというパターンの症例。
動ける範囲が増えてくるにつれて、痛みの程度も減っていった。
痛みは身体が覚えてしまう。痛い動作を避けるように生活をしていると、間違った動作が「ふだんの動作」になってしまい、なかなか症状が抜けない状態に陥っていた。

 

症例2

【患者】
腰痛症例2
30代 男性 デスクワーク

【来院】
2017年8月

【症状】
5年前に本を持ったところ、ギックリ腰になった。以来、腰の左側が痛む。長時間、椅子に座っているとつらい。

【治療内容と経過】
第1診 左側屈と左回旋で痛みが出る。腰椎1番、2番の高さの筋肉が固いため、下肢のツボを使用したところ、ゆるんだ。
第3診 電車の中で立つのがつらかったが、今は大丈夫となった。
第5診 ふだん痛みを忘れている。
第6診 間隔を開けても、痛みを感じなくなったため、終了とした。

【主な使用穴】
委陽、足三里

【考察】
左腰部の筋肉の緊張が強く、左右のバランスの悪さが目立っていたが、治療を続けていくうちに緊張感が取れていき、症状が改善された。下肢のツボを使用することが多かったことから、この患者は下肢の動きが悪く、腰部に負担が溜まっていたものと考える。腰部だけ施術していただけでは、何度もくり返す腰痛には歯が立たなかったろう。

 

症例1

【患者】

腰痛症例
男性 60代 腰椎椎間板症

【来院】

2014年11月

【症状】

10年前に腰を痛め、起き上がれなかった。整骨院に通い、動けるようになったので通院を中止した。以降、2年に一度のペースで強い痛みが出てくる。
整形外科で「椎間が狭い(腰椎椎間板症)」と診断され超音波治療を受けるようになった。何度も痛みをくり返していたところ、当院の看板を見かけ来院。

【治療内容と経過】

初診時、起床時痛が気になるとのこと。腰回り、お腹周りの冷えが強い。腰椎5番周囲の圧痛が強い。腰回り、右殿部、両下肢を緩めるよう施術を行った。
第4診では、腰の痛みは減弱してきたが、重い痛みがある。アグラをかくと、その後がつらい。股関節の動きをよくするよう、施術のポイントを変える。
第7診、だいぶ調子よいとのこと。
第12診、長時間の運転や、大好きな釣りもできるようになった。その後重く痛むことはあるが長引かない。
以降、月1回のメンテナンスに来院。現在は運転や釣りの後も痛み無く過ごせている。

【主な使用穴】

空リョウ、腰眼、殷門、承山

【随伴症状】

右肩痛

【考察】

長らく患っていた腰痛は、腰だけでなく、股関節の動きも大きく関係する。
今回は、趣味の釣りの仕掛けを作る際、アグラを書くことが多く、生活面についての聞き取りから股関節への治療ポイントの変化が、うまくいった症例だと考える。

 

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